3日目



三日目。名古屋に到着する日です。
船の中なら、ただ乗っていればよかっただけ。しかしこれからは筋書きの無い、全く無計画な旅へとなります。
果たして自分は生きて帰れるのかどうか?というより寝床は?目的地は?これからどうすんの?

     知るか。


ってなもんですよ。
九時半ごろ、下船。大荷物もって当てが無いまま、歩き出した。
とりあえず地図を見てみるが、……わからん。現在地がどうも把握しにくく、自分がどこに立っているのかさえわからない。
バスも少しの差で逃し、乗るなら一時間近く待たなくてはならない。それならば、と、とりあえずどっか歩き回ってみる。
……重たっ。
帰って計ってみてわかったことだが、その時所持していた荷物は合計十七キロ相当。「とりあえずどっか」に着くまでその荷物を、実に三十分近く持って歩き続ける羽目になった。朝食もまだなのに……。
自分の見通しは相当甘く、先のアスファルトの道は生えた草に覆われ、とても歩けるような道ではなかった。自分が如何に無謀な挑戦をしたか、むざむざと思い知らされる。仕方なく反対側の歩道へ移った。
やっとこさで町と呼べるような場所に着く。駅やコンビニを見つけ、朝食を購入した。安さで選んだのがツナマヨ丼。駅のホームで久方ぶりのご飯を食べる。
とりあえず一泊目の宿泊地として、あらかじめ目をつけてあった土古周辺へと行くことにする。うろ覚えながらそこら辺にネットカフェがあり、泊まれる筈……などと算段した。まるっきりネットカフェ難民である。
そのため名古屋競馬場前駅まで向かったのだが、おっとうれしい誤算。なんとホームから既にネットカフェの看板が見えるではないか。今日の宿泊地、決定。
すっきり決まったので、これからは散策に向かう。時間は正午辺り。とりあえず、近くにあった古本屋で立ち読みすることにした。
時間をつぶした後はあてども無く歩き回る。その最中ジャスコの看板を発見。二キロと書かれていたので、軽い気持ちでジャスコに向かう。……二キロを舐めていたのだ。
それからの地獄は文章で表現しきれない。ゆうに三十度を超すなかひいこら言って歩き詰め。途中何度も引き返そうと思った。
結局たどり着けたが、そこでダウン。ひとまず休息を最優先にした。
ジャスコ内のマックで夕食を購入する。ハンバーガー4個。安さとカロリーを優先した。しかしびっくりなのは、ここのマックがハンバーガー百円だということ。北海道では八十円だったのに……。微妙に損をした気分になる。(というか、季節によって違うのか?)
さて、行きも地獄なら帰りも地獄。最初に見つけたネットカフェまで先ほどの地獄の行程を繰り返すことになる。無論何度も諦めそうになったのは言うまでもない。
……さらに気分を暗くさせる事実を知るのは、まだ先のことである……。

着いてから、とりあえずお試しでネットカフェに入ってみる。料金表を見て三時間を希望。ひとまずの休息と夕食を食べる。
その後一度出て、周りをうろうろうろつきまわる。正直出費は悩みの種で、ネットカフェのお金もなるべく出したくないほどだ。
途中公園にたどり着き、本気でここで野宿しようかと考える。



……さすがに暗くて怖いので諦めた。危なそうだし。
さて、予想していたことだが、ネットカフェの寝心地は最悪に近い。音楽は鳴ってるし明るいし椅子はそこまで倒れない。ヘッドフォンをかけ安眠マスクをしてもまるで効果が無い。翌朝、ちゃんと疲れを取って起きられるかどうか不安。
心身共に疲れっぱなしの一日だった。

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